福智山香仙院横浜出張所では、新たに「北斗不動講(仮称)」の結成を考えております。
北斗不動講は、横浜出張所の本尊である大悲大聖北斗不動尊(四臂不動明王)・大悲法福観世音菩薩・大悲大聖明星不動尊を中心に、如意輪観世音菩薩、白衣観世音菩薩(白衣仏母)、妙見菩薩など星宿有縁の諸尊を仰ぎ、皆で仏法興隆・鎮護国家・国土安穏・家内安全・天下泰平・世界平和を祈る講です。
なぜ今、鎮護国家を祈るのか
「鎮護国家」という言葉は、現代では少し古めかしく聞こえるかもしれません。
しかし、ここでいう鎮護国家とは、特定の政治や思想を支持するという意味ではありません。
仏法が興隆し、正法が久しく世に住し、国土が安穏であり、そこに暮らす人々が平穏に生活できることを願う祈りです。
そして、その祈りは日本だけに留まるものでもありません。
ロシア・ウクライナをめぐる戦争をはじめ、世界各地では今も戦乱によって多くの人々が苦しんでいます。
また、中国と台湾をめぐる台湾海峡の緊張など、東アジアに暮らす私たちにとっても、平和について改めて考えなければならない状況があります。
日本に目を向ければ、地震をはじめとする自然災害への不安は尽きません。
さらに気候変動・地球温暖化に伴う猛暑、豪雨、洪水、台風、渇水など、私たちの生活を脅かすさまざまな災害があります。
世界の平和も、国土の安穏も、家庭の安全も、私たち一人ひとりの平穏な暮らしも、決して別々のものではありません。
だからこそ、仏法興隆・鎮護国家を祈り、家内安全・国土安穏から天下泰平・世界平和へと、その祈りを広げていきたいと考えております。
七難の世に祈る
仏教では古くから、人々や国土を苦しめるさまざまな災いを「七難」として説いてきました。
七難の内容は経典によって異なりますが、日月・星辰の異変、火災、水害、風害、旱魃、疫病、戦乱など、人々の暮らしや国土を脅かすさまざまな災難が説かれています。
戦争、疫病、地震、風水害、旱魃――。
その姿は時代によって変わっても、現代を生きる私たちもまた、さまざまな「難」と無縁ではありません。
人の力だけですべての災いを防ぐことはできません。
だからこそ、災いそのものが起こらないことを願うとともに、避けることのできない災難が起きたとしても、
大難は小難に、小難は無難に。
そして、
七難即滅・七福即生。
災厄による被害が少しでも軽くなり、一人でも多くの命が守られ、人々が一日も早く平穏な暮らしを取り戻すことができるよう祈ります。
横浜出張所の本尊三尊
北斗不動講の信仰の中心となるのは、福智山香仙院横浜出張所の本尊三尊です。
大悲大聖北斗不動尊
大悲大聖北斗不動尊は、四本の腕を持つ四臂不動明王の尊容をもって顕れます。
不動明王の堅固なる御誓願と大威力を仰ぎ、内外の諸障を摧破し、十二天をはじめとする諸天善神の擁護のもと、仏法興隆・鎮護国家・国土安穏・災厄消除を祈ります。
北斗不動講では、この大悲大聖北斗不動尊を講の中心尊と仰ぎ、世の安穏のために祈りを重ねていきます。
大悲法福観世音菩薩
大悲法福観世音菩薩には、大慈大悲をもって人々の苦しみに寄り添い、福徳を施し、衆生を安穏へと導き給う御徳を仰ぎます。
その本地は如意輪観世音菩薩です。
国家や世界という大きな平和を願う一方で、私たち一人ひとりの暮らし、家族、身近な人々の平安もまた大切なものです。
大悲法福観世音菩薩の慈悲を仰ぎ、家内安全・家族和合・衆生安楽を祈るとともに、その慈悲の心を私たち自身の生き方にも表していきたいと考えております。
大悲大聖明星不動尊
大悲大聖明星不動尊には、明星の光明と不動明王の揺るぎなき大威力を仰ぎます。
闇の中に明星が輝くように、迷いや不安の中にある人々の道を照らし、煩悩や障難を打ち破り、仏道へと導き給うことを祈ります。
北斗・妙見・九曜など星宿に御縁の深い諸尊を仰ぐ横浜出張所において、大悲大聖明星不動尊の光明を、闇を破り、正法を照らし、人々を導く光として仰いでおります。
大悲大聖北斗不動尊の大威力、大悲法福観世音菩薩の大慈大悲、大悲大聖明星不動尊の光明。
この本尊三尊の御徳を仰ぎ、仏法興隆・鎮護国家・国土安穏を祈ることを、北斗不動講の根本とします。
星宿有縁の諸尊
横浜出張所では、星宿に御縁の深い諸尊への祈りも大切にしてきました。
大悲法福観世音菩薩の本地である如意輪観世音菩薩、北辰北斗と深い御縁を持つ妙見菩薩、そして九曜息災の御法徳を仰ぐ**白衣観世音菩薩(白衣仏母)**などです。
ことに白衣観世音菩薩には、白衣仏母・白処尊としての御法徳があり、九曜息災大白衣観自在の信仰において、北斗・九曜・二十八宿など星宿諸尊と深く結びついています。
こうした星宿有縁の諸尊の御加護を仰ぎ、
星辰順行・日月清明
善星皆来・悪星退散
を祈り、星宿による災厄の消除と、人々の息災安穏を願います。
修身斉家治国平天下
私が信仰の中で大切にしている言葉の一つに、
「修身斉家治国平天下」
があります。
まず自らの身を修め、家庭を整え、国を治め、そして天下を平らかにする。
天下泰平や世界平和という大きな願いも、私たち自身の日々の暮らしから切り離されたものではありません。
まず自分自身を省み、身を修める。
家族や身近な人々を大切にし、家内安全・家族和合を願う。
地域や社会のために、自分のできることをする。
そして国土の安穏を願い、その祈りを天下泰平、さらに世界平和へと広げていく。
自分自身から家庭へ。
家庭から地域へ。
地域から国へ。
そして天下へ。
北斗不動講では、ただ仏さまに世の中を良くしていただくことだけを願うのではなく、一人ひとりが自らを修め、善行を積み、周囲との和合を大切にすることもまた、鎮護国家への一歩であると考えます。
一人の祈りから、みんなの祈りへ
北斗不動講は、僧侶だけが祈る講にはしたくありません。
それぞれが暮らす場所から、同じ願いをもって祈る。
横浜出張所でも講員の皆さまと心を合わせ、本尊三尊をはじめ諸仏菩薩、諸天善神、星宿善神の御前で祈りを重ねる。
一人ひとりの祈りは小さなものかもしれません。
しかし、それぞれの祈りと善行を集め、その功徳を自分だけに留めず、家族、地域、社会、国家、そして一切衆生へと回向していく。
昔から続いてきた「講」という仕組みを今の時代に合った形で結び、遠く離れた場所にいても心を合わせて祈ることのできる講にしたいと考えております。
護国三部経の御題目
北斗不動講では、日々の祈りの基本として、仏法興隆・鎮護国家を願い、護国三部経の御題目をお唱えします。
南無仁王護国般若波羅蜜多経
南無金光明最勝王経
南無妙法蓮華経
難しいお経や作法を知らなければ参加できない講にはしたくありません。
まずは、この護国三部経の御題目を唱え、仏法興隆・鎮護国家・国土安穏・天下泰平・世界平和を祈る。
これを、講員の皆さまがそれぞれの場所で行うことのできる、共通の祈りとしたいと考えております。
希望される方には日々の勤行を
また、希望される方には御題目をお唱えするだけではなく、日々の生活の中に短い勤行の時間を設け、本尊三尊をはじめ諸仏菩薩・諸天善神に法楽を捧げていただきたいと考えています。
その勤行には、不動明王の慈救咒、大悲大聖北斗不動尊たる四臂不動明王の真言・残食咒、国土や住居の安穏を願う鎮宅咒、そして罪障消滅を願う地蔵菩薩滅定業真言などを取り入れることを考えております。
自らの身を省み、罪障を懺悔し、家庭や住居の安穏を願い、そこから地域、国土、天下へと祈りを広げていく。
これもまた、
修身斉家治国平天下
という北斗不動講の考え方につながるものと考えております。
毎日長時間の勤行を行わなければならないというものではありません。
それぞれの生活に合わせ、無理なく続けられる形で仏さまに手を合わせ、自らを省み、家族を思い、社会を思い、世の安穏を祈る時間を持っていただければと思います。
具体的な勤行の順序、真言、唱える回数などについては、講の結成に合わせて勤行次第を整え、希望される講員の方にお伝えする予定です。
北斗不動講の祈り
皆で、
仏法興隆 正法久住
鎮護国家 国土安穏
家内安全 家族和合
天下泰平 万民豊楽
世界平和 諸国和順
星辰順行 日月清明
善星皆来 悪星退散
七難即滅 七福即生
災厄消除 息災円満
を祈ります。
仏法が興隆し、正法が久しく世に住すること。
国土が安穏であり、家庭が和合し、人々が穏やかに暮らすこと。
世界から戦乱がなくなり、諸国が和順すること。
地震や風水害、疫病その他の災厄によって苦しむ人が少しでも減ること。
そして、避けることのできない災難に遭ったとしても、
大難は小難に、小難は無難に。
ただ祈るだけではなく、自らを省み、善行を積み、それぞれのできることを行う。
修身斉家治国平天下。
自分自身の小さな実践から家族の安穏へ。
家族から地域へ、地域から国へ、そして天下泰平・世界平和へ。
北斗不動講を、そのような**「祈りと実践の講」**として、皆さまとともに育てていければと考えております。
現在はまだ構想・準備段階です。
講の活動内容、日々の勤行、参加方法などについては、今後少しずつ形を整え、改めてご案内いたします。

